急性腎障害の研究論文がScientific Reports誌に掲載されました

chibaueccm

成田赤十字病院の林です.
今回,自身が執筆した論文” Associations between fluid overload and outcomes in critically ill patients with acute kidney injury: a retrospective observational study”がScientific Reports誌に掲載されましたので紹介します.

https://www.nature.com/articles/s41598-023-44778-0

重症患者の救命に輸液療法は重要です.蘇生においてまずは十分な輸液を行いますが,過剰輸液は種々の臓器障害を引き起こすリスクとなります.2014年にROSEコンセプトが提唱され,de-resuscitationについて様々な議論がなされていますが,いつ輸液を制限するか,いつde-resuscitationに移行すべきかはまだ明確な答えが出ていません.

今回私たちは,千葉大学ICUに72時間以上在室した1120例の成人AKI症例を対象に,ICU入室から1時間おきのデータを用いてfluid overloadとmortalityやventilator-free daysの関係を検討しました.年齢,性別,敗血症の有無で補正したmultivariate logistic/linear regression analysisの結果,fluid overloadとmortalityはICU入室27時間目から,ventilator-free daysはICU入室1時間目から有意に関係していました.また階層クラスタリングによりfluid overloadの推移もまた重要であることを示しました.

私たちは詳細なデータを用いることで,既報よりも早くからfluid overloadが予後と関係することを明らかにしました.しかし何がこの関係に寄与しているか,de-resuscitationに移行する根拠となるものは何かなど,解き明かすべきことがまだあります.今後も研究を続け,よりよい重症患者管理に繋げたいと考えています.

Fluid overload study summary 20240129
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