ビッグデータを活用した敗血症の実態調査論文がCritical Careに掲載されました!

chibaueccm

20211001Sepsis DPC

特任助教の今枝です。
今回、私が執筆した論文“Trends in the incidence and outcome of sepsis using data from a Japanese nationwide medical claims database -the Japan Sepsis Alliance (JaSA) study group-”が、Critical Careに掲載されましたので紹介します。
DOI: https://doi.org/10.1186/s13054-021-03762-8

敗血症は、2017年世界中で4,980万人が罹患、うち1,100万人が死亡し、WHO(世界保健機関)により、「世界が取り組むべき課題」に設定されています。現在、世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症による呼吸不全の重症例も敗血症です。
敗血症の発症率と死亡率に関しては、地域間格差があると言われていますが、日本における敗血症の患者数や死亡数に関する全国的なデータはありませんでした。
日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本感染症学会が、敗血症の啓発と対策を行うために立ち上げたJapan Sepsis Alliance(JaSA)の研究グループの一員として、今回ビッグデータを活用して日本の敗血症の実態を調べました。

本研究は、2010年から8年間、5,000万人以上の日本の入院患者のデータを用いて行われました。入院患者のデータは、日本独自の診療報酬の包括評価制度であるDPC(Diagnosis Procedure Combination)の保険請求に基づくデータベースから抽出しました。8年間で敗血症の死亡率は、2010年の約25%から2017年には約18%と低下傾向にあります。その一方で、入院患者における敗血症発症率は2010年の約3%から2017年には約5%、入院患者1,000人あたりの敗血症による年間死亡数は2010年の約6.5人から2017年には約8人といずれも増加傾向です。なお8年間で200万人以上(入院患者の約4%)が敗血症を発症し、約36万人が敗血症によって死亡しました(死亡率約20%)。
 本研究により、日本における敗血症患者の死亡率は低下傾向である一方、患者数や死亡数は増加傾向にあることがわかります。超高齢社会である日本において、今後も敗血症患者数は増加傾向を示すと推測されます。
敗血症治療においては、感染症に対する治療とともに、臓器障害に対する集中治療室での専門的な治療が必要です。また感染症に対する予防も重要で、ワクチン接種、衛生保持、早期発見も大切です。これからも引き続き日本の敗血症対策を推進していきます。
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